BlackBrown
2024.12.14空間に静けさと広がりを求められた場合、壁や天井をどの様な色で包めばよいのか思案することがある。
インスピレーションを与えてくれるのはいつもBlackBrownという色である。
ほとんど黒の様に見えるが、モノトーンの持つ冷たさや人を置き去りにするスタイリッシュさは感じない。
ほんの少し赤味が入っているからだ。
p.b.Vのオフィスもほとんどこの色で塗り込めている。
なぜこの色が静けさと広がりを与えてくれるのか?
ずっとわからなかったが「?」を失わない限りヒントは有難く降りてくるものだ。
オランダの巨匠の手によるこんな絵がある。
そして昔、石蔵の前の炎を撮った写真。
大きな闇の広がりがあり、その中心を灯す炎。
その光源から闇に向かって無限諧調のBlackBrownが生まれる。
人間が炎を使う様になった太古より毎夜くり返される風景である。
静けさと広がりの秘密はここにヒントがある。
ところで先述のオランダの巨匠とはレンブラントのことで、必殺のアイテムが発売されている。
しかし、もし闇と炎を意識しないならば、いくら高価なBlackBrownを乱用しても
広がりも静けさも出現してはくれないのだ。
この色をどうやって手中に納めていくか、今後の楽しみな宿題である。N.F